賃貸物件に入居する際、不動産会社に火災保険への加入を勧められるかと思いますが、詳しい内容や種類について把握している方はどのくらいいるでしょうか。
実は賃貸における火災保険には様々な種類があり、もしかすると損をしている場合があるのです。
賃貸物件で火災保険に入る理由
民法の「失火責任法」によると、もし賃借人が故意ではない火災を発生させてしまい、そこに重大な責任がないときは、損害賠償責任を負う必要がない、とされています。
これはもし自分が失火して隣の部屋まで損害を与えてしまっても、隣家に対して損害賠償を負う責任がないということです。
それではなぜ火災保険に加入した方が良いのでしょうか。
賃貸契約書において賃借人は退去時に「原状回復」をしなければならない決まりがあります。
また、逆の立場となり、隣からのもらい火で自分の家財が被害を受けたとしても、相手が故意でなければ損害賠償請求はできません。
ですから、部屋を元通りに回復させる費用と、自分の家財を守るために入る必要があるのです。
では、どんな保険に加入すればいいのでしょうか。
賃貸の契約時には火災保険の種類を確認しよう
火災保険には自分の家財を守るための「家財保険」、原状回復をするための費用、即ち大家さんのために加入する「借家人賠償責任保険（特約）」、火災によって隣家まで損害を与えてしまったときに適用される「個人賠償責任保険（特約）」の主に3種類があります。
家財保険以外の2つの特約は単体で入ることができず、家財保険とセットで入る形となりますが、後々のトラブルを避けるために契約しておくと安心です。
賃貸で火災保険に加入する際の相場
賃貸で火災保険に入る場合、保険料の年間の相場は4,000円～13,000円とさまざまです。
保険料金にばらつきがある理由は、家財保険の保証金額と、オプションとして加入する特約によって違いが出るからです。
家財保険の保証金額は、自分の使っている家電製品や家具が総額いくらくらいなのかを計算して、相場と照らし合わせて算出すると良いでしょう。
前述の個人賠償責任保険は自動車保険等についていることもあるので、重複していないか確認が必要です。
火災保険に入るときの注意点
火災保険の加入に関しては、注意点もあります。
実は、賃貸物件を契約する際の火災保険に加入することで、損をしてしまう場合もあるのです。
賃貸の火災保険は通常1年～2年契約となりますが、前回住んでいた物件で契約期間終了前に新しい物件を契約した際には、二重に契約してしまうことがあります。
もし二重に契約していたとしても、保証金額の上限が決まっているため、2つの保証を同時に受けられないこともあり得るのです。
無駄な出費を避けるためにも、契約前に二重契約になっていないか確認しましょう。
まとめ
以上、賃貸物件を契約する際の注意点をご紹介しました。
賃貸物件でうっかり火災を発生させてしまった場合は、損害の程度によっては多大な損害賠償責任を負うことがあります。
自分を守るためにも、契約書をよく確認して自分に合った火災保険を見極めましょう。
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